数年前に、労働基準監督署への通報事例を見た(聞いた)のでまとめてみようと思います。ブラック企業・ブラック部署にいる方にとっては労働基準監督署への通報が意味のあるものなのか気になる思います。通報は無意味ではないが、効き目が大きいわけではないのではないかと思われます。
ブラック部署の存在
どんな環境だったのか?
私が所属している企業は世間的には大企業と呼ばれる部類に入ります。会社全体がブラック企業体質というわけではありませんが、ブラック部署が存在します。
当時、私はそのブラック部署とやり取りがある部署にいたのでどんな部署かはある程度わかりました。かなり歴史のある部署でしたが、問題点が多かったです。
- サービス残業と休日出勤が伝統芸能
- サービス残業100時間は珍しくない
- 心身の健康を損ない、潰される人が定期的に出るので人材の使い捨て
- 無意味な仕事が後から追加されるのも伝統
- 上司や同僚からのフォロー、同僚へのフォローという概念はない
- 教育や指導はほぼない
人事は何をしているのか?
人事はその部署が激務であり、適切な労務管理がされていないことは知っていました。知っていて、放置していました。明言はしませんが、人事の人と話をするとそうとしか思えませんでした。
言い換えれば、人事もブラック部署が蔓延ることに一役買っているわけです。伝統芸能にまで昇華しているので改善は一筋縄ではいかないからでしょう。臭いものには蓋というわけです。
労働基準監督署への通報の結果
労働基準監督署が指導に来る
ある日、労働基準監督署がそのブラック部署にガサ入れに来ました。
労働基準監督署「タレコミがあった!サビ残させてるやろ?許さんで」
ということだったようです。
もちろん、労働基準法を遵守しようと考えるだけのコンプライアンスの概念がない部署ですから、労働基準法違反が見つかり、指導が入ったそうです。
労働基準監督署の指導の結果、どうなったのか?
サービス残業はやめよう、とかそういう声が管理職から出るようになったそうです。
しかし、それだけです。
- 残業はきっちり申請して、長時間残業はやめよう。
- 仕事量は変えない。仕事はきちんと終わらせるように!
- 終わるわけがない?工夫して終わらせてね!
ということになったようです。素晴らしい働き方改革ですね(笑)
どうなったかというと、持ち帰り残業が増えただけです。
未だに何も変わってないようです。
労働基準法違反を犯した管理者への社内処分
処分はありました。
厳重注意で終わりです。
ちなみに、セクハラだと降格+全社への実名曝しという処分が下っています。
セクハラ・パワハラは現時点(2019年)でも法律違反ではないんですよね。パワハラ防止の法案の議論は出てきましたが、まだ整備されていません。トヨタでパワハラ自さつがありましたし、改善される方向に進んでくれると願います。
労働基準法違反という法律違反がどれだけ重く扱われているか(笑)よくわかります。
もちろん、セクハラも非常に問題のある行動ですが、労働基準法違反が異様に軽く扱われています。同等の処分でいいと思うんですけどね……。
過労しが相次ぐ電通や裁量労働制で過労しを出している三菱電機と比べるとマシではありますが、やるせなくなります。
労働基準法すら守れないとはどういうことか?
労働基準法すら守れないということは管理者が無能ということです。サビ残なんて生産性を落として人材を使い潰すわけで、企業へ損害を与える行為だと思うのですが、なぜ社内で放置するのでしょうね。
一昔前ならともかく、コンプライアンス的にも企業への悪評を呼びますから防止にもっと力を入れるべきです。もう昭和じゃないんですよ。
管理者は管理職採用が必要じゃないですかね?
プレイヤーをいきなり管理者にしてもうまくいかないことの方が多いでしょう。
まとめ
あくまで1つの実例にすぎませんが、
私はブラック部署に配属されなかった幸運に感謝することしかできません。これからもそのような部署へ異動にならないよう祈り続けようと思います。
労働基準法なんて何の歯止めにもならんのです。